大阪・神戸の中小製造業・メーカー数社で、顧問デザイナーとして新規事業開発に携わり、オリジナルブランドを立ち上げ、新商品を開発しながら、デザインを経営資源に育ててゆくお手伝いをしてきました。
デザインは、デザイナーの打上げ花火であってはなりません。
企業ブランディングおよびデザインによる商品開発のための〈しくみ〉を社内に根付かせ、デザイナーと対等に協議できる〈人材〉を育ててゆく必要があります。
そのために必要なことは、デザイナーとともに働くことだと思います。
少なくとも3年、できれば5年ほど、継続的にデザイナーとともに開発案件に取り組みながら、その考え方やセンスを吸収していく必要があります。
いわゆる〈デザイン思考〉です。
人が育ち、デザイナーのアイデアや知見を上手に活用できるようになったとき、企業は予測できなかった成長を遂げているはずです。
きっとブランド価値も高まっているでしょう。
デザイン経営が根付いた瞬間であり、顧問の仕事はひと段落となります。
私の夢は、日本製造業の再生。
1社でも多くの日本の中小製造業が、デザインに強くなり、世の中に共感され、売れる商品を継続して開発できるようになり、再びこの国が繁栄する未来を夢見ながら、経営者さん、社員さんたちと地道な活動を続けています。
価値観とライフスタイルの多様化が進む現在、100人のうち1人が確実に買ってくれるような、ニッチな商品開発が重要だと言われています。
「万年筆」へのこだわりから生まれたステーショナリーブランドや、「建築家」をターゲットにしたカナモノブランドなどをプロデュースしてきました。
モノがあふれる現代においては、「ニッチの発見」こそが重要です。
特別な趣味嗜好をもつ人たちに確実に喜んでもらえる商品を開発して、ファンを増やしながらブランドを育ててゆきましょう。
企業の技術とノウハウがどんなニッチとマッチングできるのか?
まずはコンセプトづくりから、ですね。
まずは、経営者・中堅社員・デザイナーからなる特命チームを結成します。
企業によって異なりますが、自社ブランドの立ち上げと新商品の開発を並行して進めることが多いです。
商品企画・プロダクトデザイン・ブランドロゴの開発・ブランディングなどにデザイナーとともに取り組むことで、デザインに親しみ、その考え方を学びながら、企画・デザインを組み込んだ新しい開発フローの確立も進めていきます。
デザインを経営資源にするためには、「デザイン人材」が欠かせません。
デザイン人材は、デザイナーではありません。
デザイナーとの継続的な協働作業をとおして、デザインの見方や考え方を学び、実務担当者として新規事業を牽引し、企業の成長に結び付ける、きわめて重要な役割を担います。
仁アトリエでは、商品企画やデザインに関するレクチャーや、企画・デザイン・開発における実務的なディスカッション、カタログやプレスリリースの協議をとおして、デザインに強い人材を育てます。